日本人が罹患する2型糖尿病は、遺伝的要素が原因の主要因とされる
日本人が罹患する糖尿病の約95%が、2型糖尿病であり、その発症には遺伝的要因が極めて強く関わっているとされる。糖尿病の発生メカニズムとしては、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞を選択的に破壊して発症する事が明らかにされている。しかし、このメカニズムは、欧米人に多い1型糖尿病のものであり、2型糖尿病の詳細な発症メカニズムは、未だ不明だが、1型糖尿病とは異なり、β細胞の破壊は関係ないらしいとされている。
家族・親族に糖尿病に罹患している人がいる場合、即ち、遺伝的要因が発症の主核となり、そこへ肥満、ストレス、生活習慣の乱れ、運動不足、暴飲暴食などの要因が関わり膵臓の働きが低下。インスリンを必要時、必要量分泌出来ない状態に陥り、血糖値が上昇し、2型糖尿病は発症するとされている。2型糖尿病の場合は、インスリンは分泌されているのだ。運動も行っている、食生活にも気をつけているのに糖尿病を発症したり、逆に生活習慣がかなり乱れている人でも、糖尿病にならない人がいるのは、2型糖尿病が、いかに、遺伝的要因が強いかを証明している。
昭和30年代、日本が高度経済成長路線を辿る事により、食生活が豊かになり、その豊かさと反比例して、国民全体が運動不足気味となって行った事が、糖尿病患者数を激増させたのは事実だ。この事実の背景にも遺伝的要因があるとされる。生活習慣の変化、主としてその欧米化により発症要因が増加したとも言えよう。同様な事が、現在、発展途上国で生じており、2型糖尿病の患者数の割合が、次第に増加している発展途上国も多いとの報告もある。
従って、血縁者が糖尿病に罹患している人は、既に、糖尿病の発症要因を持っているわけで、発症させないためにも、生活習慣を改善すべきだ。ストレスフリーの生活習慣、栄養のバランスを考えた食事を摂る、適度な運動を心がける、過食、過度の飲酒喫煙(特に、禁煙するべきだ)をひかえる等、生活習慣の是正に取り組む事で、糖尿病発症のリスクを回避出来るとされている。